MENU
TOP > 財務分析レポート > 日本毛織、2018年11月期 連結決算 「衣料繊維」が伸び悩むも他業態が健闘、増収微...

日本毛織、2018年11月期 連結決算
「衣料繊維」が伸び悩むも他業態が健闘、増収微増益に

update: 2019/01/28

2018年11月期 財務数値一覧(表1)

2018年11月期
財務数値一覧(表1)

日本毛織の2018年11月期連結決算は、主力の1つ「衣料繊維」が伸び悩むも、他業態が健闘したこともあり、増収・微増益となった。中でも「人とみらい開発」事業が増収増益と健闘した。「衣料繊維」事業は減収減益となった。

「人とみらい開発」が収益に貢献

連結売上高は1,105億3,800万円(6.8%増)と堅調な推移だった。売上高総利益率(粗利率)は25.3%(0.5ポイント減)とやや低下した。販管費率は17.8%と前年並みだった。営業利益は83億6,800万円(0.2%増)と微増益。経常利益も91億2,800万円(0.4%増)と同様の傾向だった(表1を参照)。

「衣料繊維」事業の売上高は358億600万円(0.4%減)と微減収だった。営業利益は18億8,200万円(6.7%減)の減益に至った。学校制服や一般企業向け制服素材はおしなべて前年並みの推移だった。官公庁向け制服素材は、大口の受注が減少した。一般衣料用素材は、欧州向けが好調だった。利益面では、羊毛の原料価格が高騰したことによるコストアップなどがマイナス要因となった(表2を参照)。

2018年11月期 セグメント別売上高(表2)

2018年11月期 セグメント別売上高(表2)

「産業機材」は売上高222億1,300万円(8.1%増)、営業利益15億6,200万円(5.8%減)で増収減益の結果。車両向けの不織布、縫製糸は堅調な推移だった。成長著しいのが、「人とみらい開発」で、売上高386億8,800万円(12.2%増)、営業利益57億7,000万円(5.2%増)で、増収増益を達成した。商業施設の運営事業が好調を維持しているほか、不動産事業も堅調。介護事業では、大型施設の入居が進み、収益が大幅に改善した。Eコマース事業などを手掛ける「生活流通」も、売上高138億3,000万円(10.4%増)、営業利益7億1,500万円(9.0%増)で、増収増益と健闘した。

今期は衣料繊維において、オリンピック特需を見込む

財務面は比較的、安定している。商品回転率は0.1ポイント改善したほか、交差比率も微増した。D/Eレシオがやや増加したが0.2倍で、正常値と言われる範囲内に収まっている。

通期の業績予想は、連結売上高が1,200億円(8.6%増)、営業利益が90億円(7.5%増)、経常利益が93億円(1.9%増)で、増収増益を計画している。「衣料繊維」においては、今期はオリンピックの特需を見込んでいる。国内の毛糸(ウール)市場は縮小すると見ているが、China市場において、スクールユニフォームが拡大する見込みだ。

(樋口尚平)

ビッグジョン カイハラデニム ミズノ株式会社 豊和株式会社 シキボウ ダンス ウィズ ドラゴン かまだプリント株式会社 ゴールドウイン ドミンゴ 株式会社デサント シマセイキ ペガサス