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ライトオン、2018年8月期 連結決算
粗利率が改善、黒字回復を達成
当期から連結決算へ変更

update: 2018/10/04

《財務分析レポート》

2018年8月期 財務数値一覧(表1)

2018年8月期 財務数値一覧(表1)

 

ライトオンの2018年8月期の連結決算は、売上高は当初計画値より減収したが、値下げロスの減少で売上高総利益率(粗利率)が改善したことが貢献し、前期の損失計上から一転して黒字化を達成した。下期において、プロパー消化が順調に進んだ。主力のボトムス類が下げ止まり傾向にあるほか、客単価が上昇した。

プロパー販売が好調に推移

同社は当期から、台湾子会社を連結対象に加えたため、連結決算に変更している。そのため、純然たる前年比の数値が算出できない財務指標がいくつか発生した。参考に、前期(2017年8月期)の非連結決算数値一覧を添付しているので、そちらを参考にされたい。また今期から決算期を変更する。当期までは8月21日から翌年の8月20日だったが、9月1日から8月末日までの8月期決算に移行する。ただし、今期は決算移行期のため、“2018年8月21日から2019年8月31日”までの“1年と11日”の変則決算となる。

2018年8月期 商品別売上高(表2)

2018年8月期 商品別売上高(表2)

当期の連結売上高は767億円。前期比・計画比ともに、4.0%減だった。値引きロスを極力減らす方針を実施した結果、プロパー販売が順調に推移した。しかし、ゴールデンウイークやバーゲン期の集客が充分ではなかったという。強みの“メンズ”が健闘したほか、課題だったレディスも回復基調に乗りつつある。

回遊客の多いショッピングセンターの店舗は好調に推移したが、ロードサイドやパワーセンターの店舗は引き続き苦戦した。客数、既存店ベースの売り上げは減少したが、客単価が4.1%増と前年を上回った。ECの売り上げは、下期は前年同期比170%と好調な推移だった。

期末の店舗数は497店(12増、29減)と減少した。業態別では、主力の「ライトオン」が459店(9増、28減)、「ノーティードッグ」が30店(2増)、「バックナンバー」が5店(1減)、「バックナンバーキッズ」が1店。海外(台湾)は3店(1増)。

中期計画でビジネスモデル転換を図る

2018年8月期 中期経営計画、 骨子と数値目標(表3)

2018年8月期 中期経営計画、
骨子と数値目標(表3)

また同社は、2021年8月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画を策定した。売上規模は800億円以上、在庫回転率は3.6回転以上、経常利益率は6%以上を目指す。中計の骨子は、①ジーンズセレクトショップへビジネスモデルの転換を図る、②BACK NUMBERをグローバルブランドにする、③ECを成長戦略の中核としていく、の3点。①では、従来の価格訴求型ショップから、“価値”訴求型の「ジーンズセレクトショップ」へビジネスモデルを転換する。具体的には、プロパー販売を主体とし、NB(ナショナルブランド)およびPB(プライベートブランド)の商品力の向上を図る。また、在庫量を抑制して、商品を広げて見せる環境を作り、ブランドやテーマに沿った“提案型”の売り場を拡大する。NBとのパートナーシップをさらに進化させ、商品力の向上に取り組む。

2点目のグローバル面での戦略では、「BACK NUMBER」を強化の軸に据える。商品力の向上に力を入れる。“和紙デニム”を中心に、同ブランドのイメージ構築を図る。また、SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の推進も重要な課題に掲げる。生産・品質管理から物流、販売計画の精度アップまで、一貫したSCM体制の構築に取り組む。

3点目のEC強化では、3カ年で競合他社に負けない水準へ成長させる構えだ。売り上げに直結する“デジタルマーケティングの強化”を進め、顧客との接点を増加させる。実店舗との連動も強化し、シナジー効果で高い成長率を目指す。当面、売上比率10%を目標にする。台湾ビジネスでは、現地のMDを再構築すると共に、売り上げの増加を図る。ポップアップストアの積極展開や、ECビジネスもスタートさせる計画だ。

通期の業績見通しは、連結売上高が800億円(4.2%増)、営業利益が20億円(66.3%増)、経常利益が20億円(93.0%増)。

(樋口尚平)

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