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財務分析レポート
ジーンズメイト 2016年2月期 第2四半期 決算
既存店の苦戦で減収、損失幅が広がる

update: 2015/09/29

ジーンズメイトの2016年2月期第2四半期決算(非連結)は、既存店の売上不振で減収になり、損失幅が広がった。仕入れコストの上昇や販売苦戦の影響で、売価変更が相次ぎ、売上総利益率が計画を下回った影響も大きかった。四半期利益は、特別利益「違約金収入」を計上したため、黒字転換した。

高コスト体質の見直しが優先課題

店頭では、汗じみを目立たなくする加工を施した機能商材「ゼロステイン」シリーズをはじめ、専門学校生のデザインを採用したTシャツなど、特徴のある商品がけん引役になった。機能素材を使った5ポケットのボトムス、ショートパンツ類も好調だった。その半面、定番の5ポケットパンツやシャツ類は前年を下回った。

期末の店舗数は96店。出店はなく、「JEAMS MATE」を1店閉鎖した。インバウンド需要を意識して、池袋本店や渋谷店など計10店で、免税販売を始めた。また、プライベートブランドの「Blue Standard」と「innocent blue」の認知度を高めるため、株式会社 i‐Flowが運営するサーフ系セレクトショップ「LB/S」(エルビーエス)、ダイバーシティ東京プラザ5階の店舗で、7月から直営店以外での販売をスタートした。

機能性商材は好評だが、ベーシック系アイテムの動きが鈍い傾向が見られる。既存店ベースの前年比は99.0%で、計画より5.0ポイント低い数値にとどまった。売上原価が増えたこと、プロパーを中心とした店頭消化が進まなかったことで、売上総利益率が減少。販売管理費率も高まり、損失計上に至った。高コスト体質の見直しが優先課題だ。

財務面は良好、店頭売りの回復がカギ

損益計算書(P/L)は課題が多いものの、その一方で、貸借対照表(B/S)は安定した状態が続いている。内部留保に該当する利益剰余金は約24億円あるほか、有利子負債は計上されていない。自己資本比率は82%と高い水準にある。財務面は非常に健全な状態だ。

流動比率が557とさらに数値が増加している。棚卸資産(いわゆる在庫)が増加傾向にある。商品回転率はほぼ横ばいの3.3。交差比率は、売上総利益率の減少で、下がった。

課題は明確で、ここ数シーズンの共通した点だが、商品企画の精度アップと店頭売りの促進だ。安定した財務基盤を活かし、再浮上のきっかけをつかむことが急務だと考えられる。

(樋口尚平)

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