インタビュー
日清紡テキスタイル 取締役 常務執行役員デニム事業部長、村田馨氏に聞く
徳島・吉野川事業所の新体制が来年、本格稼働
update: 2014/12/29
デニムなど短繊維生地を展開する日清紡テキスタイル。今年10月、日清デニムなど自社工場の機能を吉野川営業所(徳島県)に集約し、紡績を除くテキスタイルなどの一貫生産体制を構築しようと取り組み始めた。同時に組織改編を実施。フラットな組織体に改め、環境変化に柔軟に対応できる体制を整えつつある。その陣頭指揮を執るのが同社の村田馨 取締役常務執行役員デニム事業部長だ。
来年1月から本格稼働する新体制
10月に集約・改編された新体制は、来年1月下旬から本格的に稼働する。日清紡テキスタイルによる日清デニムの吸収合併など一貫生産体制の構築は、日清紡グループが策定した中期経営計画「NEXT2015」で、繊維事業において売上高600億円、営業利益30億円を達成する目標の実現を目指す布石の1つだ。
村田取締役は、「集約の目的は、一貫生産体制を構築できるからだ。また、以前は部署間であまり接触がなかった社員同士の交流を深める狙いもある。年明け1月20日から本格稼働するが、新しい動きや提案ができる新体制は楽しみだ」と期待を寄せる。
「デニム生産は専門性を要求されるため、どうしても各担当者が1つの価値観に凝り固まってしまう傾向があった。営業スタッフにも同様のことが言える。組織体を集約することで、社員同士が刺激を受け合う環境になればベターだ」
デニム生産では、国内大手ジーンズメーカーとの関係を今後も重視する。国内生産をセールスポイントの1つにするが、新体制に移行したことで、市場ニーズの変化に合わせた新しい商品を開発・提案できる素地が整った。
「いかに良い物、テイストの違うものを提供していけるかだろう。全体の3分の2を占める国内生産品に加え、海外生産や販売についても、開拓の余地はあると思う」
(樋口尚平)
〔詳報は来年1月末に発刊予定の「ジーンズ&カジュアル レポート」に掲載〕