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ヤマトコーポレーション
ミシンと丸編み機のリンケージを強化

update: 2014/04/28

成型編み機「YC-82G」

成型編み機「YC-82G」

ミシンを製造・販売するヤマトコーポレーション(大阪市)がミシンと丸編機のリンケージ(連係)を進めている。ミシンと丸編み機にはそれぞれ専業メーカーがあり、両方を製造・販売しているケースは珍しい。2つの製造機械を併せて販売することで、生産性の相乗効果を高め、他社との差別化する狙いがある。

川上と川中をつなぐ試み

丸編み機で生産したニット製品サンプル

丸編み機で生産したニット製品サンプル

4月23-24日、同社は「SPEEDY 丸編機発表展示会」を開催した。イタリアメーカー製の糸を供給する装置など他社の部品を独自に組み立てたオリジナルの丸編機だ。今回、提案したのは成型編みの「YC-82G」、パンスト編みが無地の「YC-40C」と柄物の「YC-44C」。併せて、自社のミシンも同時に展示・提案した。

同社は国内のニット関連企業を主要顧客にしている。2010年7月に製造・輸入・販売部門を統合し、現在のヤマトコーポレーションとして再スタートを切った。製造と販売を一緒にした理由は、顧客である国内アパレル企業の製造現場が海外へシフトしているため。また国内企業は品質に対する要求が高いため、技術開発の面でもメリットがある。

丸編機(ニット製造)は川上、ミシンはメーカーに該当する川中に位置するため、生産現場では本来、交わることがない。ニット用ミシンを扱う同社はここに注目し、丸編機とリンケージした提案ができないかと考えた。今回の展示会で紹介した丸編機で生産されたニットの後処理 ―― 縫製や熱圧着をカスタマイズした同社のミシンで行うというリンケージ提案もしている。

既存の設備を応用できるメリット

放熱を極力減らした熱圧着ミシン「NSW」

放熱を極力減らした熱圧着ミシン「NSW」

ミシンと丸編機のリンケージ提案のメリットは、既存の設備を利用できる点だ。同社のミシンをカスタマイズし、熱圧着などニット製品の品質を向上させる仕様に替えることができる。

今回の展示会で、丸編機と併せて提案したミシンが熱圧着モデルの「NSW」の最新機種。電磁加熱と伝導熱による余熱を利用し、ポリウレタン製の「ホットメルト」テープによってニットを“無縫製”加工する。ホットエアや熱伝導など従来型の熱溶接技術では、加工現場で大量の熱が発生し、作業環境が著しく悪化することがあった。「NSW」は放熱がほとんどないため、作業環境や効率を大幅に改善することができる。

丸編機とミシンのリンケージ提案は、社内の部署間の相互理解にも寄与している。部署が違うと互いの業務内容を理解しにくくなるが、トータル提案の体制を強化する過程で互いの長所を生かし短所を補う意識改善が進んでいるという。今後も丸編機とミシンのリンケージ提案を継続強化する。

(樋口 尚平)

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