今年は全社売上微増に落ち着く
欧米への販売がさらに伸び
クロキの黒木立志社長
update: 2013/12/25
「シャネル」「ルイ・ヴィトン」「グッチ」など様々な欧米のラグジュアリーブランドと取り引きを続けるデニム生地メーカー、クロキの黒木立志社長は今年を振り返って「いろいろとあったが健闘出来た方ではないか。売上高微増くらいには落ち着きそう」という。国内販売量は減少し続けているものの、欧米ラグジュアリ―ブランドとの取り引きは堅調に推移した。
欧米ラグジュアリ―ブランドとの安定的な取り引きは国内生地メーカー各社の大きな目標の一つだが、それが実現できた要因について尋ねると「これまで低価格カジュアル衣料と位置付けられていたジーンズをラグジュアリーブランド各社が扱い始めたことが大きい」と振り返る。現在、世界経済で見ると、米国経済が好調に転換し、欧州経済も最悪期を出している。日本経済も好転する兆しが見えており、黒木社長は「来年は今年よりも商況が良くなりそう」と見通す。
現在、欧州の国際生地展示会「プルミエールヴィジョン」と「デニムプルミエ」には年2回ずつ必ず出展を続けているが、アジアのデニム生地メーカーのような大型ブースを構えて派手な演出で客を呼び込むようなことは資金的にも無理だとして、中型ブースで品質の高さとサービスをアピールすることに徹している。
「アジアの生地メーカーでは生地スワッチと実際の反物ではまったく異なることがあるが、当社はスワッチと実反とのズレをほとんどなくしているだけでなく、2~3メートルのサンプル用着分の注文にも迅速に対応しており、そのことが評価されているのではないか」と黒木社長。
来年からはデニムがトレンドに再浮上するという見方もある。クロキにも期待が寄せられる。
(ファッションライター南充浩)