財務分析レポート
島精機製作所 2014年3月期 第2四半期
アジアを中心に横編機が復調、利益も黒字回復
update: 2013/11/08
島精機製作所の2014年3月期第2四半期決算は、アジアを中心に主力の横編機ビジネスが復調したほか全セグメントで増収を達成、利益面でも黒字を確保した。前々期(2012年3月期第2四半期)の水準に近い数値まで業績が回復しつつある。
同社のコア・ビジネスの横編機事業では、中国・香港市場で設備投資が回復。先進国向けアパレルの生産量が増えたバングラデシュやアセアン諸国では、ボリュームゾーン向け機種の「SSR」を中心にコンピュータ横編機の需要が拡大した。
欧州・ロシア向けの生産拠点である中東・トルコでは、生産効率の高い横編機の導入が堅調に進んだ。欧州では、コスト競争力の高いポルトガルや国内生産が高まった英国などで販売が伸びた。「ホールガーメント」の横編機を核にするイタリアでは、景気停滞の影響を受けて売り上げは伸び悩んだ。
国内市場では、個展や大手アパレルメーカーを対象にしたファッションセミナーなどの後押しで、「ホールガーメント」横編機を中心に売り上げが伸びた。
デザインシステム関連事業では、「SDS-ONE APEX3」による三次元のバーチャルサンプルを使用した一貫ビジネスの提案を積極展開した。その結果、アパレル業界のほか家具やインテリア、雑貨など幅広い業種で採用が進んだ。手編み靴下事業は需要が回復した。
売上高総利益率が大幅に改善したことにより、各段階で利益を確保した。売り上げの回復と共に、横編機の生産台数が増加したことにより原価が下がったことも、粗利率改善に貢献した。
効率性指標は軒並み改善した。販管費率が7ポイント減少した。流動性指標も、手元流動性比率がやや悪化したが、そのほかの数値は改善が見られた。
通期の業績見通しは、売上高470億円(34.4%増)、経常利益80億円(91.9%増)。増収増益を見込んでいる。
(樋口尚平)