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グンゼ 児玉和 代表取締役社長 兼 社長執行役員(COO)
「CSRは経営の根幹」
「グンゼ」ブランドを再強化

update: 2013/07/31

グンゼ株式会社 代表取締役社長 COO 児玉 和 氏

グンゼ株式会社
代表取締役社長
COO
児玉 和 氏

肌着専業メーカーのグンゼは再度、コーポレートブランドである「グンゼ」の強化に乗り出している。同時に、急速な市場変化に対応できる組織体制の構築にも着手した。今期(2014年3月期)をアパレル事業の立て直しの時期に位置付ける同社。どのような見通しと戦略を立てているのか、就任から2年目に突入した児玉和代表取締役社長に話を聞いた。

良い商品は売れている商品

グンゼ株式会社 代表取締役社長 COO 児玉 和 氏

グンゼ株式会社
代表取締役社長
COO
児玉 和 氏

グンゼはアパレル事業のほか、プラスチックフィルムなどを生産する機能ソリューション事業、商業施設やスポーツクラブの運営などを手掛けるライフクリエイト事業の3本柱を展開する。利益面では機能ソリューションが主力だが、売上規模や会社の歴史を鑑みれば、根幹事業はやはりアパレルである。今期は円安の影響が大きいためアパレル事業は減収減益の見通しだが、体制を立て直す時期と重なることも無関係ではない。

「3つの各事業はそれぞれ成熟化していると思いますが、特にアパレル事業は流通のあり方も大きく変わり、われわれがその環境の変化について行けなくなってきたのではと感じています。事業構造や商品構成を環境の変化に合わせて変える必要がある。踊り場に差し掛かっていると痛感しています」

「アパレルで一番の問題は、『グンゼ』のブランド力が非常に低下してきていること。年齢層が下がるにつれ、認知度も下がっています。私が社長になってから、再度『グンゼ』ブランドを強化する目的で、“ここちよさ”というキーワードを掲げた『ブランド憲章』を出しました。これに合わせたものづくりやコンセプトを打ち出し、ブランドの良さを訴えていくことが大事だと思います」

「2番目にはヒット商品がないこと。『ザ・グンゼ』や『YGX』など色々な商品を提案しているが、ほとんどが単発で『ボディワイルド』のような大型ブランドに育っていません。3番目には、多少価格が高くても良い物を作ろうというプロダクトアウト型の意識が強く、コスト意識が希薄になっていること。特に肌着はコモディティー(均質)化しているので、やはりコスト競争力を持たないとマーケットでは認知されないと考えます。それから、これが一番大事だと思いますが、意識改革が必要でしょう。これまでのやり方に対して、『世間についていけない』ということを認識して意識改革することです。なかなか数字には表れませんが、徹底して繰り返し社内外へ発信していくことが重要だと考えています」

今秋にはアパレルの新商品の発表を予定している。比較的若い層向けの「ボディワイルド」と年配層へ向けた「快適工房」を埋める商品になるという。

「ヒット商品がないことと、プロダクトアウト型の意識の改革は表裏一体です。良い商品は消費者が決める。売れている商品が良い商品であると考えます」

生産、企画面の効率化も進める

意識改革のため、社長自身が率先して行動する。 イラストや人形作成もその一環

意識改革のため、社長自身が率先して行動する。
イラストや人形作成もその一環

意識改革やブランドの最強化、新商品の発売に加え、生産、企画面においてもアパレル事業の改善を進めようとしている。

「生産面では海外比率を増やします。特にベトナムやタイで生産能力を増強したい。海外生産比率は現状46%。ゆくゆくは60%に増やしたいと思います。また、商品企画の面では、品番数を絞り込むことも管理指標に入っている。20%くらいの品番で売り上げの80%くらいを構成していますが、シーズンごとに企画段階で見直しを進めています。14年秋冬シーズンから目に見えて変わってくると思います。生産拠点と品番数の集約でかなり効率化が進むでしょう」

「売り上げが減っているのに生産や販売の体制は変わっていない。あまりにも図体が大きくなり過ぎて効率化が必要になっています。この秋から本格的に改めていきたいと思います。まずは収益の確保を重視したい」

海外展開では、中国・北京における店舗展開がようやく進んできた。今年末までに134店舗を出店する計画を立てている。

「北京における出店は当初計画より遅れているのですが、ようやく店舗展開が進んできました。今後はアセアンにも展開したいと思います。充分、市場はあると考えています。北京での成功事例をアセアン展開に生かしたい」

社会貢献が経営方針の柱に

モットーは 「明るく、楽しく、元気よく」

モットーは
「明るく、楽しく、元気よく」

同社は現在、40-60歳の女性へ向けた肌着「キレイラボ」を展開しているが、これは女性の社会進出を後押しする情報発信の一面も併せ持っている。いわゆるCSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)だが、これは創業当時からの経営理念だという。

「わが社の発祥そのものが『社会に貢献する』というCSRだった。ビジネスで成功しようと思ったら、CSRを忘れてはいけない、経営の根幹だと思います。今やっている商売が世間に貢献しているかどうか、自身に問いかけながらやるべきでしょう。『キレイラボ』を通した女性による社会貢献も然りです」


略歴 児玉和(こだま・のどか)氏 1948年生まれ。72年4月、グンゼ入社。2006年6月、同社・取締役執行役員 経営戦略部長 兼 人財開発部長。08年6月、同社・代表取締役常務取締役 兼 常務執行役員 経営戦略部長。12年6月から現職。

(樋口 尚平)

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