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アダストリア、2019年2月期 第2四半期 連結決算
店頭のプロパー売りが苦戦、減収・減益に

update: 2018/10/01

《財務分析レポート》

2019年2月期 第2四半期 財務数値一覧(表1)

2019年2月期 第2四半期
財務数値一覧(表1)

アダストリアの2019年2月期 第2四半期(3-8月)の連結決算は、店頭のプロパー売りが苦戦し、減収・減益となった。在庫消化のため実施した値引き販売が増加した影響で、売上高総利益率(粗利率)が減少した。四半期損益は法人税の支払い超過により、損失を計上するに至った。

値引き販売の増加も利益減に影響

連結売上高は1,050億円(2.6%減)。特に4-5月の売上高及び粗利が計画値を大幅に下回った。商品企画や価格設定の検討が不十分だったと分析しており、今後の解決すべき課題に掲げている。販管費は単体では減少したが、広告宣伝費の増加などにより、連結ベースでは比率が増加した。これらの結果、営業利益が5億2,900万円(86.0%減)と大幅な減益に至った。同様に経常利益も6億円(84.6%減)と大幅に減少した(表1を参照)。

2019年2月期 第2四半期 ブランド別売上高(表2)

2019年2月期 第2四半期
ブランド別売上高(表2)

主なブランド別の売上高は、主力の「グローバルワーク」が187億2,600万円(4.8%減)と苦戦した。2番手の「ニコアンド」が151億2,400万円(11.1%増)と2ケタの増収を達成した。「スタディオクリップ」は118億8,300万円(4.2%減)と苦戦傾向。「ローリーズファーム」は103億円(14.5%減)と2ケタの減収となった。規模はまだ小さいが、新しいブランドの「ベイフロー」が40億5,000万円(7.2%増)と健闘した。「レプシィム」「ジーナシス」は第2四半期(6-8月)に入り、復調傾向にある(表2を参照)。

海外事業は、トータルの売上高が72億4,700万円(16.3%増、円ベース)と好調な推移だった。中でも、台湾が11億4,900万円(42.5%増、同)、韓国が6億500万円(40.1%増、同)、米国が20億8,300万円(87.0%増)と貢献した。損益面では営業損失(のれん償却前)10億3,700万円を計上。前年同期比の11億3,200万円より損失幅がやや縮小している。唯一、台湾が8,700万円(25.6%増)の営業利益を確保した。

期末の店舗数は、連結で1,485店(52増、70減)。国内合計は1,370店(45増、52減)。「グローバルワーク」が215店(6増、1減)、「ニコアンド」が135店(4増、1減)、「スタディオクリップ」が192店(1増、4減)、「ローリーズファーム」が145店(2増、6減)、「レプシィム」が137店(2増、3減)だった。

好調の「ニコアンド」、カテゴリーを拡大

上期の経験・反省を踏まえて、今後は商品の企画力、および期中の修正力を強化する。国内では、ブランドを3つのグループに分類して、適切な方針による強化を進めている。健闘している「ニコアンド」では、広告宣伝を強化すると共に、衣食住の住居空間を軸にして、展開カテゴリーを拡大する。「グローバルワーク」では、アパレルの提案力を強めるほか、来春へ向けて生活雑貨を拡大する。「ローリーズファーム」はターゲット層を拡大する。年齢・テイストを拡大し、今秋から商品企画を変更する。また、来春から本格的にリ・ブランドに着手する計画だ。同時に今秋、自社の物流センター「茨城西DC」を9,000坪増床し、生産性の向上を図る。

ウェブ(EC)事業は売上高174億円(11.5%増)と順調に成長を続けている。国内売上高に占める比率も17.6%(2.3ポイント増)と着実に高まってきた。自社ECの会員数も、約780万人(80万人増)と増加してきた。そのほか、新規事業として、コスメのショップ「カレイドエビーチェ」を今秋からスタートした。また、ECにおけるサービス事業や、子供服のレンタル事業など、ほかの新規事業にも取り組み始めている。

通期の業績見通しは変更していない。連結売上高2,270億円(1.9%増)、営業利益84億円(67.8%増)、経常利益87億円(60.3%増)の増収・増益の計画だ。

(樋口尚平)

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