エルメス、2018年12月期 第2四半期
各地域・各部門で健闘、増収・増益を達成
update: 2018/09/27
《財務分析レポート》
HERMS(エルメス)社の2018年12月期第2四半期(1-6月)の連結決算は、各地域・各部門で健闘し、増収・増益を達成した。主力の欧州やアジア、米州が好調だったほか、アパレル類が2ケタ増と健闘した。
日本市場は円ベースで微減収に
連結売上高は28億5,300万ユーロ(約3,680億3,700万円、1ユーロ=129円で換算)、5.2%増と堅調な推移だった。売上高総利益率(粗利率)は69.9%(0.2ポイント減)と微減したが、販管費率が29.1%(0.6ポイント減)と減少したこともあり、増益を達成した。
営業利益は10億3,700万ユーロ(約1,337億7,300万円、同)、11.4%増と2ケタの増益に至った。税引前利益は10億3,300万ユーロ(約1,332億5,700万円、同)、12.2%増。四半期利益は7億700万ユーロ(約912億300万円、同)、16.9%増と好調に推移した(表1を参照)。
地域別の売上高は、「France」(フランス)が3億9,000万ユーロ(約503億1,000万円、同)、8.2%増と堅調な推移だった。「Europe(excl.France)」(欧州。仏を除く)は5億ユーロ(約645億円、同)、7.4%増と同様に堅調だった。欧州全体では、8億9,100万ユーロ(約1,149億3,900万円、同)、7.8%増と好調に推移した。
アパレル類が健闘
「Japan」(日本)の売上高は3億4,400万ユーロ(約443億7,600万円、同)、6.8%増だった。円ベースでは、1.1%減と微減収だった。日本を除く「アジア・太平洋地域」は10億7,200万ユーロ(約1,382億8,800万円、同)、14.9%増と2ケタの増収で、成長株である。アジア全体では、14億1,700万ユーロ(約1,827億9,300万円、同)、12.8%増と好調だった。「Americas」(米州)は4億8,900万ユーロ(約630億8,100万円、同)、12.4%増と2ケタの増収だった(表2を参照)。
部門別売上高では、主力の「Leather Goods and Saddlery」(レザーグッズと馬具)が14億2,500万ユーロ(約1,838億2,500万円、同)、8.0%増と健闘した。「Ready-to-wear and Accessories」(既製服及びアクセサリー)が6億3,700万ユーロ(約821億7,300万円、同)、16.7%増と健闘した。
財務面は非常に安定している。商品回転率は1.9と低いが、粗利率が69.9%と高く、交差比率も100を超えている。手元流動性比率は5.9月と高い数値。D/Eレシオは0.008倍と無視してもいい水準にある。
(樋口尚平)