Ralph Lauren Corporation、2019年3月期 第1四半期決算
欧州、アジアが健闘し増収増益に
update: 2018/08/22
《財務分析レポート》
Ralph Lauren Corporation(ラルフ・ローレン社)の2019年3月期(2018年度)の第1四半期(4-6月)連結決算は、欧州及びアジアが健闘し、増収増益を達成した。利益は2ケタの増益。主力の北米は微減収だったが、増益を達成した。アジア地域が規模は小さいが、2ケタの増収増益と好調な推移だった。
収益性の改善が進む
前々期(2017年3月期)に損失を計上した同社だったが、前期(2018年3月期)には黒字転換を達成した(表4を参照)。今期(2019年3月期)の第1四半期も引き続き、増収増益に基調にある(表3を参照)。
第1四半期の売上高は13億9,000万米ドル(約1,529億円、1米ドル=110円で換算)、3.2%増と堅調な推移だった。売上高総利益率(粗利率)は64.4%(1.2ポイント増)と改善した。販管費率が55.0%(1.4ポイント減)と減少したこともあり、営業利益が1億3,000万米ドル(約143億円、同)、44.4%増と2ケタの増益となった。税引前利益は1億3,200万円(約145億2,000万円、同)、53.5%増。四半期利益は1億900万米ドル(約119億9,000万円、同)、84.7%増とそれぞれ増益を達成した(表1を参照)。
地域別売上高では、主力の「North America」(北米)が6億9,700万米ドル(約766億7,000万円、同)、1.7%減とやや苦戦したが、営業利益は1億5,900万米ドル(約174億9,000万円、同)、6.0%増と増益を達成した。「Europe」(欧州)は3億5,000万米ドル(約385億円、同)、8.4%増で、営業利益も7,300万米ドル(約80億3,000万円、同)、9.0%増と増益だった。成長著しい「Asia」(アジア)は2億4,800万米ドル(約272億8,000万円、同)、18.7%増と2ケタの増収。営業利益も4,200万米ドル(約46億2,000万円、同)、40.0%増と2ケタの増益を達成した(表2を参照)。
期末の店舗数は、直営店が484店(17増)、Concessions(コンセ売り場)が633店(8増)。直営店の内訳は、北米が220店(4増)、欧州が83店(1増)、アジアが107店(17増)。「Ralph Lauren Stores」が115店(9増)、「Polo Factory Stores」が295店(13増)、「Club Monaco Stores」が74店(5減)である。Concessionsは特にアジア地域が多く、604店(13増)。欧州は25、北米は2。
財務面は良好な状態にある。手元流動性比率は3.3月、D/Eレシオは0.1倍で、適正と言われる範囲に止まっている。商品回転率は3.1回転と前年度と同じ水準だ。粗利率が改善したことで、交差比率の数値が向上した。
(樋口尚平)