モンクレール、2018年12月期 第2四半期 連結決算
各地域でプラス成長、増収・増益に
update: 2018/07/30
《財務分析レポート》
ダウンジャケットを主力にするイタリアのアパレルブランド「MONCLER」(モンクレール)を展開するモンクレール社の2018年12月期第2四半期(1-6月)決算は、各地域でプラス成長を果たし、増収・増益を達成した。アジアや欧州が2ケタの増収と好調に推移した。
アジア・欧州が健闘
連結売上高は4億9,300万ユーロ(約635億9,700万円、1ユーロ=129円で換算)、21.1%増で2ケタの増収を達成した。売上高総利益率(粗利率)は76.0%(0.4ポイント増)と好転した。販管費率が低下したこともあり、営業利益(EBIT=税引前利払前利益)は8,500万ユーロ(約109億6,500万円、同)、35.5%増で2ケタの増益だった。
税引前利益(EBT)は8,400万ユーロ(約108億3,600万円、同)、40.6%増と2ケタの伸び。四半期利益は6,100万ユーロ(約78億6,900万円、同)、47.2%増と同じく2ケタの増益だった(表1を参照)。
地域別の売上高は、「Asia & Rest of the World」(アジア・その他地域)が2億1,000万ユーロ(約270億9,000万円、同)、31.8%増と大幅な増収を達成した。特にChinaと日本地域が健闘した。「EMEA(イタリア除く)」(欧州・中東・アフリカ)は1億4,600万ユーロ(約188億3,400万円、同)、15.3%増と好調な推移だった。フランス、英国、ドイツが健闘した。
China、日本が好調に推移
お膝元の「Italy」(イタリア)は6,300万ユーロ(約81億2,700万円、同)、8.8%増と堅調な推移。「Americas」(米州)は7,200万ユーロ(約92億8,800万円、同)と規模は小さいが、16.7%増と2ケタの増収を続けている。
販路別の売上高は、主力「Retail」(小売り)業態が3億7,600万ユーロ(約485億400万円、同)、25.8%増と2ケタの伸びだった。「Wholesale」(卸事業)は1億1,600万ユーロ(約149億6,400万円、同)、7.9%増と堅調な推移だった(表2を参照)。
期末の店舗数は209店(期首から8増)。「Asia & Rest of the World」が102店(同6増)と最も多い。「EMEA(イタリア除く)」が61店(同2増)。「Italy」(21店)と「Americas」(25店)は期首と同じ店舗数だった。
財務面は安定している。資本回転率に変化はない。商品回転率が0.1ポイント改善し1.4になった。D/Eレシオは0.094とさらに改善されている。手元流動性資金が潤沢で、手元流動性比率が4.4カ月と高い水準にある。
(樋口尚平)