グンゼ、廣地厚 代表取締役社長
「今期はほぼ計画通りに推移」
update: 2018/06/07
《企業レポート》
グンゼが6月5日、大阪市内で2018年度の事業報告会を開催した。廣地厚 代表取締役社長は今期(2019年3月期)の業績について、「はほぼ計画通りに推移している」と語った。今期は売上高1,450億円(3.2%増)、経常利益70億円(8.6%増)の増収・増益を計画している。
「綿のエキスパート」としての強みを活かす
毎年この時期に開催される同報告会。2020年を最終年度にする中期計画「CAN20」の進捗状況をはじめ、各セグメント別の担当責任者が事業方針を説明する。前期(2018年3月期)は増収・増益を達成した。数年来、取り組んできた各事業の構造改革や無駄の削減(電子部品における減損損失など)の効果が徐々に表れてきた形だ。
創業ビジネスの「アパレル」関連は、前期の業績が売上高740億1,200万円(3.3%増)、営業利益26億2,800万円(4.9%増)で増収・増益だった。インナーウエアの「YG」や「キレイラボ」「トゥシェ」などがけん引役になった。「YG」は「カットオフ」(断ち切り仕様)の商材が好調だった。「キレイラボ」は「完全無縫製」の商品群がけん引役になった。また、「アディダスネオ」などライセンス展開するスポーツ関連インナーも好調だったようだ。今期に入っても、上向きの基調は変わっていないとみられる。
レッグ関連では、年間定番のストッキングやソックスが苦戦した。ストッキングの新ブランド「サブリナ」は主力のGMSのほか、ドラッグストアで展開が増えている。また、ライセンス品「ライザップ」を中心に、美容・健康関連商材も好調だ。
アパレルでは今後、直販ビジネスにも力を入れる。現在、プロパー店4つ、アウトレット店8つ、計12店舗を展開する。「インナーからレッグ、パジャマなどのアパレルまで、幅広い品揃えが展開できるという強みを活かし」(廣地社長)、店舗展開を推し進める。アパレル事業全体では、今期も売上高760億円(2.7%増)、営業利益28億円(6.5%増)の増収・増益を目指す。
アパレルビジネスは前述のような“差異化商品”がけん引役になっている。「我々は“綿のエキスパート”だと考えている。(ユニクロなど)大手SPAのように豊富な量の供給はできないが、トータル提案できるのは当社だけと考えている。こうした背景(強み)を基に、直販ビジネスを広げていきたい」(廣地社長)。
(樋口尚平)