MENU
TOP > 業界ニュース > ワールド、2018年3月期 連結決算 減収するも、効率化が進み増益を達成

ワールド、2018年3月期 連結決算
減収するも、効率化が進み増益を達成

update: 2018/05/21

《財務分析レポート》

ワールド、2018年3月期 財務諸表(表1)

ワールド、2018年3月期
財務諸表(表1)

ワールドの2018年3月期連結決算は、主力の「ブランド事業」が微減収だったが、ECなどの「デジタル事業」が好調に推移した。販管費率が低下したほか、売上高総利益率(粗利率)が改善し効率化が進んだことで、増益を達成した。

投資事業の利益への貢献度が拡大

連結売上高は、デジタル事業を担うグループ企業の(株)ファッション・コ・ラボの売上数値の計上方法を変更したため、前期数値が変更されている。粗利率は、販売掛け率および仕入原価の改善より、0.4ポイント改善した。販管費率も低下したことから、増益を達成した(表1を参照)。

セグメント別売上高では、主力の「ブランド事業」が売上高1,991億円(0.9%減)とほぼ前年並みだった。セグメント利益は100億円(4.9%増)。「投資事業」は減収だったが、セグメント利益が66億円(190.2%増)と大きく伸ばした。利益面への比率、貢献度が高まってきた。「デジタル事業」は規模が小さいながら、増収・増益と好調な推移だった(表2を参照)。

ワールド、2018年3月期 セグメント別売上高(表2)

ワールド、2018年3月期
セグメント別売上高(表2)

「ブランド事業」では、収益性の高いブランドに集約して強化を進めてきたが、その効果が徐々に表れている。前年比を上回った主なブランドは、「ピンクラテ」(15.0%増)、「ジェット」(3.1%増)、「エアパペル」(1.6%増)、「アナトリエ」(10.5%増)、「クチュールブローチ」(2.2%増)、「エッシュ」(3.7%増)、「インディヴィ」(1.9%増)など。期末の店舗数は、前年比102減の2,309店(出115、退213)。

利益への貢献度が高まっているのが「投資事業」。日本政策投資銀行と共同で、ファンド運営会社「W&Dデザインファンド」を設立し、ファッション企業・(株)ユアサンクチュアリーに投資した。また、雑貨専門店「212キッチンストア」、インテリアショップの「タイムレスコンフォート」を展開する(株)アスプルンドを子会社化した。デジタルベンチャーの(株)オムニスとは、資本・業務提携した。古着業態の「ラグタグ」を運営する(株)ティンパンアレイを子会社化した。

「デジタル事業」では、ECの売上高が順調に伸びている。当期は193億円(13.4%増)と好調な推移だった。

財務面では、効率性指標が低下しているが、流動性指標の改善が見られる。自己資本比率が増加したこと、有利子負債が減少したことで、D/Eレシオが改善した。しかしまだ有利子負債が1,024億円あるため、継続した削減が課題だ。

(樋口尚平)

豊和株式会社 ドミンゴ シマセイキ ダンス ウィズ ドラゴン かまだプリント株式会社 ビッグジョン 株式会社デサント ミズノ株式会社 ゴールドウイン ペガサス シキボウ