ジャパン・ベストニット・セレクション2017
世界に誇る国内のニット/カットソー技術が集結
update: 2017/12/11
国内のニットメーカー、カットソーメーカー、生地・素材メーカーなどが一同に揃う合同展示会「ジャパン・ベストニット・セレクション2017」が東京国際フォーラムで11/6(水)、7(木)に開催された。今回で10回目を迎え、過去最大75社が出展した。
協賛として出展した島精機製作所のブースは大盛況。進化を続けているホールガーメントⓇ横編機では服だけでなく、服飾雑貨やスポーツウェア、インテリア雑貨など、より幅広い製品が作れることをアピールした。先日より送料のみで販売が始まった「ZOZO SUIT」の登場を受け、正確かつ多くの人のサイズデータを計測、集計できることにより、同社が開発したデザインシステムと組み合わせることで、さらにものづくりの現場が変わってくるのではないかと期待を寄せていた。
また、新たな取り組みとしてリサイクルニットもスタート。通常のニットでは裁断・縫製するために糸に戻すことが難しいが、ホールガーメントⓇならそれが可能だ。ニット業界の最先端を行く企業として、こういったサスティナブルな取り組みにも力を入れていくとのこと。
カットソーメーカー、立野株式会社は来春からスタートするサイクルファッションブランド「SORO(ソロ)」を初披露。クロスバイクやロードサイクルなど、スポーツバイク人口が増え、通勤や仕事の移動手段に自転車を使う人も多くなってきているが、ウェアに関しては本格的で派手なスポーツタイプのウェアしか店頭にはなく、オフィスや出向先で浮いてしまう。そこで着替えることなく、自転車も快適に乗れて、オフィスや取引先などでも違和感なく過ごせるようなアイテムを提案する。デザイナーは日頃から自転車を愛用しているという三浦ダリアさん。自身に実体験がブランドコンセプトにも込められている。
レディースが中心だが、ストレッチ性があり、股やお尻部分のパターンも自転車に乗りやすくなっているのに、見た目はキレイ目なパンツやカットソーと布帛のドッキングシャツ、サイクリングだけでなく、街着やレジャーにも着ていきやすいカジュアルなデザインのアウターなどを展開。トップスで8000~1万円台、ボトムで2万円以下の価格帯を想定している。
会場では、7日午後に「JBKS2017アワード」を開催。国内ニット産業全体の底上げ、産地の再活性化を図るとともに、業界内外からの関心を高めることを目的に、展示されている製品の中から「製品完成度・技術力・開発力」「クリエイティビティ・デザイン性」「市場性・話題性」に優れた製品を表彰するというもの。
今回はグランプリおよび経済産業大臣賞に株式会社ケンランド、準グランプリに中橋莫大小株式会社、株式会社ウメダニットが選ばれた。
次回は来年12月に開催予定となっている。
(ファッションライター 苫米地香織)