紳士服・ロンナー、2018年春夏展
カジュアル系アイテムを拡充
update: 2017/07/31
《展示会レポート》
紳士服専業メーカー、ロンナー(大阪市)は2018年春夏展において、よりカジュアルシーンで着用できるジャケットなどのアイテムを拡充した。主力はスーツだが、市場のトレンドがカジュアル化していることに対する施策だ。
スーツはトレンド採り入れた「ブルーステッチ」が主力に
同社の17年春夏商戦は、難しい市況下でも健闘している。百貨店を中心に展開するスーツ主体のブランド「リチャード・ジェームス」は前年比をクリアしているほか、重衣料関連は前年並みの推移だという。
16-17年秋冬シーズンはブルゾンやコート、アウターの仕込みが足りなかったようだ。カジュアル寄りのアイテムのニーズが増えているようで、今春も引き続き、スーツではないスプリングコートなどの商材に動きが見られた。その一方で、機能的なものや汎用性のあるもの――撥水や防水など分かりやすい機能性のニーズが高まっているという。
18年春夏シーズンのテーマは、「TOKYO STYLING」。イタリアンテイストや英国テイストとは異なる、日本・東京発のスタイリングを提案する狙いがある。ジャケットのライン「ハオリ」では、ノーパッド・裏地なしのカジュアルライクなアイテムを企画した。ウールに合繊を加え、機能性も付加。夏のシーズンを意識した素材だ。
主力のスーツでは、ヤングマインドでトレンドを採り入れたテイストが特徴の「ブルーステッチ」が主力になってきた。スリーピースを提案している。そのほか同ラインでは、ノータックのパンツを増やしている。スーツ全体の40%にまで増加している。トレンドの変化を意識した構成と言えるだろう。
また、富裕層へ向けて、インポート生地を使った高感度スーツの提案を強化する。今までは、品質やアフターケアを重視していたが、トレンドの変化を考慮し、感性に訴えるインポート生地を採用したスーツの提案にも力を入れる。
(樋口尚平)