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開業1年が経過した大阪市内の商業施設
ルクアとキューズモールの好調ぶりが光る

update: 2012/06/01

東面写真ルクア

東面写真ルクア

今春は、東京都心が大型商業施設のオープンラッシュだが、昨春は大阪市内が大型商業施設のオープンラッシュだった。今回は開業から1年が経過した大阪市内の各商業施設の結果をまとめる。

昨年4月19日に増床リニューアルグランドオープンした大丸百貨店梅田店は、売上高が617億9000万円だった。当初の売上計画(670億円)は、東日本大震災や台風上陸の影響から640億円に下方修正したが、そこにも届かなかった。しかし、年間入場客数は前年比106・8%と大幅に伸びた。これはファミリー層や男性客獲得に向けてユニクロ、ポケモンセンターオーサカ、トミカショップ、東急ハンズなどを導入した効果が出た。また今年3月、4月の売上高は前年実績、計画値ともに上回っており、今年度の売上計画630億円に向けて好スタートを切ったといえる。

鳴り物入りで開業したJR大阪三越伊勢丹の年間売上高は334億円にとどまった。当初の売上計画は550億円だったが、これを350億円に下方修正したものの、そこにも到達できなかった。来場客数は3010万人でほぼ計画通り。不振を受けて売り場のブランドサインを大きく変更し、陳列量にボリューム感を出すなどの工夫で今後反転攻勢を狙う。4月27日から開催した開業1周年の「大均一祭」では10500円と5250円均一を打ち出し、売上計画の30%増と好調に推移したという。

年間を通じて注目が高かったファッションビル「ルクア」は当初の売上計画が250億円だったが、370億円にまで拡大することに成功した。「ビームス」「アーバンリサーチ」「トゥモローランド」「ジャーナルスタンダード」などの人気セレクトショップと人気ブランドを集めたことが奏功した。年間入場者数は4000万人を越えている。現在の買い上げ歩留まり率は3割強だが、今後はこれを高めることに注力する。

天王寺・阿倍野地区に開業した「あべのマーケットパーク キューズモール」は都心立地でありながら郊外型ショッピングセンターの性格を色濃く打ち出した。当初の売上計画は400億円だったが、実績は450億円と好調だった。来場者数は2700万人で当初計画の1700万人を大きく上回った。ユニクロ、ライトオン、ザ・スーツカンパニー、グローバルワークなどの低価格ブランドがそろっており、近隣に住宅地や高校が多いことから、平日の午前中から来場者が途切れることがない。

(ファッションライター 南充浩)

キューズモール

キューズモール

伊勢丹三越

伊勢丹三越

大丸南側に新しく出来た入口

大丸南側に新しく出来た入口

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