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主要アパレルSPA企業5社、決算まとめ
外資2強が好調な推移

update: 2017/04/24

《財務分析レポート》

主要アパレルSPA企業、 2017年決算まとめ 財務諸表(表1)

主要アパレルSPA企業、
2017年決算まとめ
財務諸表(表1)

世界規模で展開する主要アパレルSPA企業5社(インディテックス社、H&M、ギャップ社、ファーストリテイリング、しまむら)の決算が出揃った。ファーストリテイリング(以下、FR)のみ第2四半期だが、ほかの4社はすべて本決算である。外資2強(インディテックス、H&M、)が好調な推移だったほか、ギャップは苦戦傾向、FRがギャップをとらえつつある。

ギャップが苦戦、ファーストリテイリングが上位をうかがう

対象にするのは、「ZARA」などのインディテックス社、「H&M」などのH&M(ヘネスアンドマウリッツ)、「GAP」などのギャップ社、「ユニクロ」などのファーストリテイリング、「しまむら」などのしまむらの5社。決算期や会計基準が異なるため、純然たる比較はできないが、読者諸氏の参考資料にはなるだろう。表2では、各社の期末の為替レートに基づいて、日本円に換算した業績数値を表にまとめてある。

主要アパレルSPA企業、 2017年決算まとめ 業績一覧(表2)

主要アパレルSPA企業、
2017年決算まとめ
業績一覧(表2)

インディテックス社は増収増益と好調な推移だった。売上規模も2兆8,000億円台で、3兆円の大台が現実味を帯びてきた。営業利益も堅調に伸び、5,000億円台が見えてきた。H&Mも増収増益の推移。手堅く収益を拡大している。インディテックス社には売り上げ、利益の額ともに、やや水をあけられている。

ギャップ社は主力業態の「GAP」の不振、退店の影響もあり、苦戦傾向にある。減収減益の結果だった。体制立て直しの時期である。FRは第2四半期の結果だが、微増収増益と健闘した。アジアの「ユニクロ」事業がけん引役になった。通期では増収増益を見込んでおり、ギャップ社の2017年度実績を上回る数値になる。

高効率を誇るしまむら

売上高総利益率(粗利率)はインディテックス社とH&Mが共に55%以上と高い水準。営業利益率も2ケタ台をキープしている。商品回転率は3-4回転で、交差比率は100を超えている(インディテックス社は200越え)。財務面も安定しており、当面の不安材料は見当たらない。FRは粗利率が48%、交差比率は約200と高効率だ。ギャップ社は粗利率が36%とやや低めだが、商品回転率でフォローし、交差比率は200近い。

しまむらは国内事業が主体ということもあり、世界規模の業容拡大はこれから。それでも、増収増益を達成し、堅調な推移を維持している。特筆すべきは、その高効率性。粗利率は33%と低いが、商品回転率が8回転と高効率。交差比率も272で、インディテックス社の数値を凌駕している。                                   

(樋口尚平)

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