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アダストリア、2017年2月期 連結決算
増収を達成、粗利減・販管費率の増加で減益に

update: 2017/04/06

《財務分析レポート》

アダストリア、2017年2月期 財務諸表(表1)

アダストリア、2017年2月期
財務諸表(表1)

アダストリアの2017年2月期(2016年度)連結決算は、増収を達成したが、売上高総利益率(粗利率)の低下および販管費率の上昇により、減益に至った。当期純利益は有価証券の売却益を計上したことで過去最高益を更新した。業態では、主力の「グローバルワーク」が堅調な推移だった。

主力の「グローバルワーク」が堅調に推移

連結売上高は堅調な推移だった。利益面では粗利率の低下(0.3ポイント減)および販管費率の増加(0.4ポイント増)により、減益となった。3期前(2014年2月期)に実施した「株式会社トリニティアーツ」(現アダストリア)の子会社化に伴う“のれん”の計上により、営業利益額が目減りしている。償却前のEBITDA(税引前利払い前減価償却前利益)は230億2,800万円(6.4%減)、単体では165億3,600万円(5.8%減)である。参考までに、販管費からのれん償却費(21億8,400万円)を除くと、販管費率は47.9%になる。

粗利率は値下げ幅の増加でやや下がったとはいえ、56.3%と依然、高い水準を保っている。商品回転率も5.7回転と高い水準で、交差比率は300台を維持している。財務面の数値も安定しており、当面の懸念材料は見当たらない(表1を参照)。

期末の店舗数は、国内1,243店(出79、退56)。海外を含めたグループ全体では、1,351店(出91、退64)。海外の店舗数は108店(出12、退8)になった。今期は、既存業態でスクラップ&ビルドを続けながら、グループ全体で1,539店にまで拡大する計画だ。

ブランド別売上高では、主力の「グローバルワーク」が382億円(5.9%増)と堅調な推移だった。「ニコアンド」や「スタディオクリップ」「レプシィム」「ジーナシス」などが健闘した(表2を参照)。海外ビジネスは台湾で営業利益が倍増したが、そのほかの地域は苦戦した。

2020年2月期に、連結売上高2,600億円を目指す

アダストリア、2017年2月期 ブランド別売上高(表2)

アダストリア、2017年2月期
ブランド別売上高(表2)

当期(2017年2月期)は中期3カ年計画の初年度に該当する。中計をリニューアルし、さらに今期(2018年2月期)を初年度にする新しい3カ年計画を策定し、2020年2月期には、連結売上高2,600億円、ROEで15%前後、キャッシュフローで500億円を目指す。海外事業と新規事業により、400億円の売り上げの上乗せを計画する。

新規事業としては、今年3月に100%子会社の「株式会社エレメントルール」を設立した。都市部のファッションにこだわりを持つ働く女性にターゲットを絞った新会社で、来期(2019年2月期)に2つのブランドを立ち上げる計画だ。国内ブランドでは、14年春にデビューした「BAYFLOW」(売上高50億円、73.4%増)、ウェブ事業(同291億円、34.4%増)が好調に推移している。また、新業態の「LAKOLE」の出店も今春以降、加速させる。

海外では先日、米国のVelvet社(2016年12月期の売上高約3,900万米ドル=約42億9,000万円)の株式を取得し、子会社化した。米国市場の開拓にも今後、本腰を入れる。通期の業績見通しは、連結売上高が2,330億円、営業利益が150億円。

(樋口尚平)

 

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