展示会レポート
ＢＩＧ ＪＯＨＮ　２０１６年秋冬
アスレジャーデニムで新境地を目指す

update: 2016/04/27

ビッグジョンの２０１６年秋冬展示会が４月１２日から約２週にわたって行われた。今展示会では引き続き好評な「コンプリートフリー」を中心にストレッチ性のあるデニムのスポーツスタイルへ落とし込み、トレンドの『アスレジャー』スタイルを提案。もう一つはメンズアイテムを中心にフォローを強化し、お客さまからの要望や別注に即対応できるような体制を進めていくとのこと。

リピーターができ、好評の「コンプリートフリー」はトレンドの『アスレジャー』を今季のキーワードにし、５ポケットのほかにカジュアルウェア、スポーツウェアとの垣根を超えたアイテムを展開。ウエストゴム仕様のテーパードフィットのトラウザータイプやジョガーパンツなどは素材をグレードアップし提案していく。

セレクト向けの「Ｍ３」シリーズでも、前シーズンにリニューアルしたキックバックの強いハイブリットストレッチデニムに加え、オーソドックスな１２ｏｚストレッチデニムをラインナップ。コンプリートフリーが税抜き１万５０００円以上という価格帯に対し、税抜き１万円台という手頃な価格帯で設定。「アスレジャーデニム」として、ジーンズだけど動きやすく、スポーツをはじめ、あらゆるシーンでジーンズを履くという新境地を考えている。

また、ベーシック一辺倒な市場に新たな提案として、トレンドのジョガーパンツをバイカーパンツデザインに昇華させたデザインデニムも展開していく。

前シーズンからスタートした新国産デニムシリーズ「Ｍ１」では、アメカジの王道であるルーズストレートを新たに定番に加えた。王道らしい加工感にもこだわり、今後は別注アイテムの対応しやすくするためにあらかじめ、加工のバリエーションを提案し、シルエット×加工法でオリジナルデニムにも対応できる展開も考えている。

今シーズンから「Ｍ１」には国産チノも追加。素材にはウエストポイントを使用している。ウエストポイントとは米国の地名で、陸軍士官学校があり、その士官学校の制服に使われていたことが織物名の由来になっているという。そこにコールドマーセライズ加工を施し、光沢感やシャリ感があり、本格的な素材を使った上質な仕上がりになっている。

レディースデニムの「ブラッパーズ」からはデニムの裏にシャギー素材、サテン素材のカラーパンツの裏にフリースをボンディングした「裏フリデニム」を展開する。今まで市場で見られたあったかパンツはデニム風ジャージなどがよく見られたが、ジーンズメーカーだからこそできた、新感覚のウォームデニムが完成した。

セレクト向けのレディースジーンズを展開する「クリーンデニム」からも、新素材「スキューバデニム」が登場。ウェットスーツからヒントを得た、シックで品のある光沢感をストレッチ性を兼ね備えたデニム素材で、モードな素材感をトレンドのハイウエストスキニーなどに使用。ジーンズメーカーならではの新しい切り口の素材使いと制度の高い洗い加工などのものづくりと、トレンド性を併せ持った提案をしていく。

（ファッションライター　苫米地香織）