財務分析レポート
「ザラ」「ベルシュカ」などを展開するインディテックス
2015年度は2ケタの増収増益に
既存店ベースでもプラス成長
update: 2016/03/17
「ザラ」「ベルシュカ」などを展開するインディテックス(Inditex)の2015年度(2016年1月期)は、順調に出店が増えたほか既存店も堅調に推移し、2ケタの増収増益を達成した。主力の「ザラ」(ZARA)をはじめ、全業態で増収を達成した。
連結売上高は2兆6,125億円──209億ユーロに
連結売上高は209億ユーロ、日本円で約2兆6,125億円(1円=125ユーロで換算)、15.4%増と2ケタ増を達成した。店舗数は期首6,683店から7,013店に増加した。既存店ベースでは8.5%増と堅調な推移だった。
売上総利益率(粗利率)は57.8%、0.5ポイント減少した影響で、営業利益率は微減したが、税引前利益および当期純利益の率は前年並みを確保した。販管費率は0.2ポイント減少している。
地域別の売上比率では、欧州・元スペイン地域が46%(2ポイント増)と主力。アジアおよびその他の地域は21.1%(2.4ポイント減)とやや下がった。スペイン本国は19%(1.3ポイント増)とやや増加した。米州は13.9%(0.8ポイント減)だった。
収益性は引き続き高い水準にある。高い粗利率に支えられ、利益率も2ケタをキープしている。商品回転率は4.3と前年と同じ値。交差比率は粗利率が微減した影響でやや減少したが、248と高い値を保っている。
自己資本比(株主資本)率は65%。手元流動性比率は2.3カ月で、資金は潤沢だ。D/Eレシオは無視してもいい低比率である。新規店舗が増えている上乗せもあるが、既存店ベースでも8.5%増と伸びていることが大きい。
(樋口尚平)