MENU
TOP > 業界ニュース > 財務分析レポート ワールド、2016年3月期 第2四半期 計画値を上回り、営業利益を計上

財務分析レポート
ワールド、2016年3月期 第2四半期
計画値を上回り、営業利益を計上

update: 2015/11/19

ワールド、2016年3月期  第2四半期 財務諸表(表1)

ワールド、2016年3月期 第2四半期
財務諸表(表1)

ワールドの2016年3月期 第2四半期は、売上収益(売上高)は減少したものの、営業利益は計画値を上回り、黒字計上を達成した。前期から決算基準を、日本会計基準から国際会計基準(IFRS=イファース)へ変更したため、一部、前年比がない点もあるが、営業利益を確保するなど、構造改革は着実に進んでいるとみられる。

上山社長「構造改革に手応え」

前期の2015年3月期(2014年度)より、日本会計基準から国際会計基準(IFRS=イファース)へ決算基準を変更した。損益計算書における利益指標が大きく変わるほか、貸借対照表においても計上項目が変わるため、「売上高純金利負担率」については、前期実績のみ表記している。損益計算書の数値は、IFRS基準による比較である(ワールド公表数値に基づく)。なお通期見通しは、非上場企業のため非公表だ。

売上高は1,355億円(3.3%減)、営業利益は30億8,900万円と増収、利益を確保した。円安による仕入原価の増加の影響が大きく、売上高総利益率(粗利率)が1.0ポイント減少した。売上高に占める販売管理費率が3.3ポイント減少したため、営業利益を計上するに至った。財務指標では、商品回転率が前年並みなど、大きな変化はない。借入金=有利子負債が1,104億8,100万円(13億2,400万円減)と微減しているが、支払利息が3億円台の後半を持続するなど、財務状態の改善はあまり進んでいない。D/Eレシオも2ポイント強ほど増加している。自己資本比率(株主資本)は改善している。

第2四半期、上期決算では利益体質に至っていないが、3カ年計画による構造改革については、「手応えを感じている」(上山健二 代表取締役 社長執行役)。構造改革は「3カ年を計画」(上山社長)しており、今期はその足場固めの時期に位置付ける。そのため、決算数値上は“赤字”が並ぶが、来期以降は、その傾向も改善されるとみられる。

財務上の数値はマイナスが並んでいるが、期中の既存店ベースはプロパー比率が前年より改善するなど、状態は上向いている。今期は「(無駄削減のため)在庫を減らした。プロパー売りを増やして、営業利益を確保できるよう社内で言っている」(上山社長)。その効果が表れ、プロパー消化率は改善している。しかし、棚卸資産(いわゆる在庫)を政策的に絞り込んだため、売上高は減少している。

2ブランドのスクラップを実施

ワールド、2016年3月期  第2四半期 部門別売上高(表2)

ワールド、2016年3月期 第2四半期
部門別売上高(表2)

上期では先だって、スポーツファッションブランドの「アニマ」、および「ジンジャーエール」の2ブランドをスクラップした。今期中に10-15ブランドの撤退、400-500店舗のスクラップは実行する計画だ。無駄な在庫を絞り込み、プロパー消化率を高める施策を推し進める。

通期の重点ポイントは、優良な既存ブランドの強化・拡大だ。百貨店ブランドは弱含みだが、ショッピングセンター向けのブランドはNSC(リージョナルショッピングセンター)を中心に出店余地があるため、強化の対象だ。その1つが、「シューラルー」である。

最強化する業態はEC、Eコマースだ。「ワールドオンラインストア」を展開しているが、上期で62億円(11.2%増)と好調な推移だった。今後も拡大させていく業態・販路である。

(樋口尚平)

シマセイキ MIMAKI ビッグジョン ダンス ウィズ ドラゴン BROTHER かまだプリント株式会社 ペガサス シキボウ 豊和株式会社 株式会社デサント ドミンゴ ミズノ株式会社 ゴールドウイン