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財務分析レポート
主要上場アパレルメーカー3社、2016年2月期 第2四半期 連結決算まとめ
─オンワードホールディングス、TSIホールディングス、レナウン─
コスト増で減収減益傾向に

update: 2015/10/26

主要アパレルメーカー3社、 2016年2月期 第2四半期 財務諸表(表1)

主要アパレルメーカー3社、
2016年2月期 第2四半期
財務諸表(表1)

主要上場アパレルメーカー3社(オンワードホールディングス、TSIホールディングス、レナウン)の2016年2月期 第2四半期 連結決算が出揃った。各社ともに店頭の売上不振と経費増による影響で、収益の縮小を余儀なくされた。利益を確保したのはオンワードホールディングスで、ほかの2社は損失を計上した。

消費増税の反動減も影響

各社ともに、2014年4月に実施された消費税率引き上げの駆け込み需要が大きかった同年3月の反動減で、期首の3月度が苦戦傾向だった。販売管理費率の増加も利益に影響した。売上総利益率(粗利率)はオンワードが1.3ポイント減、ほかの2社は改善した。

オンワードは期首の3月の消費増税の駆け込み需要の反動減が大きく、期末までその影響が残った。主力ブランドは3月度を除くと前年をクリアし、健闘している。通期の業績見通しは、上期の影響が下期も続くと見ており、減収減益を計画している。

TSIホールディングスは、上期に実施した2社の解散および12ブランドの廃止(1ブランドの譲渡含む)の影響で、通期見通しを下方修正した。利益面は構造改革が進むと予測しているため、当初見通しを据え置いている。販路別では、主力のファッションビル・駅ビル・路面店などが3.1%増と健闘した。百貨店は12.1%減と苦戦した。

レナウンは損失幅がやや縮小した。粗利率も改善傾向にあり、販管費率の削減が進めば利益体質に転換できる。有利子負債はほとんどゼロに近いため、財務面は健全だ。主力販路の百貨店がやや前年を下回った。直営店は前年を上回った。

店頭売りの回復とコスト削減がカギ

主要アパレルメーカー3社、 2016年2月期 第2四半期 商品・ブランド別売上高(表2)

主要アパレルメーカー3社、
2016年2月期 第2四半期
商品・ブランド別売上高(表2)

収益改善には、店頭売りの回復とコスト削減が各社に共通したポイントだ。3社ともに通期業績は、減収の計画である。効率性指標は各社ともに悪い。販管費率が高まり、商品回転率が低下した。交差比率も減少している。資本回転率も微減傾向だ。

流動性指標はまだら模様である。3社ともに営業キャッシュフローがマイナスだった。自己資本比率は各社、過半数を超えている。D/EレシオはTSIおよびレナウンが正常域内の数値である。オンワードは0.3と言われる目安から少し高めの0.419だった。

主力ブランドの推移では、TSIに勢いがある。「ナノ・ユニバース」「ローズバッド」などセレクトショップ形態のブランドが好調だ。オンワードは軒並み減収だった。「ジョゼフ」が3.0%増と健闘した。レナウンでは、主力の「ダーバン」が2.6%増と健闘した。「アクアスキュータム」はメンズ・レディスともに苦戦傾向だった。

(樋口尚平)

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